学びの日誌

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【書籍解説】『思考・論理・分析』 波頭 亮

✔ この本を「一言」で表すと

 物事を「正しく」考え、理解する論理的思考力が身につく本

 

✔ 目次

 第1章 思考

  1-1 思考

  1-2「分ける」ための3要件

  1-3 思考成果

  1-4 因果関係

 第2章 論理

  2-1 論理

  2-2 論理展開

  2-3 論理展開の方法論

  2-4 正しさの根拠

 第3章 分析

  3-1 分析とは

  3-2 分析作業

  3-3 合理的分析の手法

  3-4 論理と心理

 

第1章 思考

 1-1 「思考」とは

   「情報」と「知識」を照合し、「同じ」と「違う」に分けて認識すること

  =分かることは「分ける」こと

 1-2  「分ける」ための3要件

   1.「ディメンション」を整えること

    ・ディメンション=比べる対象の抽象・具体の階層を一緒にすること

    一例)

     ディメンションⅠ 物体

            Ⅱ 食べ物

            Ⅲ 果物、野菜、魚、肉

            Ⅳ リンゴ、大トロ 

     ✕ 「野菜」と「リンゴ」で比べる

      ∴ ディメンションⅢとⅣという「不一致の」階層で比べてるから

     ◯ 「肉」と「魚」で比べる

      ∴ ディメンションⅢ同士の「一致した」階層で比べてるから

   2.「クライテリア」を設定すること

    ・クライテリア=分類基準

      〈Point〉

     1.多種多様な「クライテリア」の選択肢を知識として持っておくこと

     2.複数ある「クライテリア」の中から、 

       思考の「目的」に合致するクライテリアを選択する

       例)「和食」に飽きた人に何を食べるか提案する時

       ✕ 「素材の種類」というクライテリア(魚料理、肉料理、卵料理 など)

       ◯ 「料理の国籍」というクライテリア(和食、フレンチ、中華 など)

   3.「MECE」であること

    MECE=分け方に「モレ」がなくかつ「ダブり」がないこと

     例)◯ 人間を「A型」「B型」「O型」「AB型」に分ける

     ・「A型」~「AB型」を合わせると全ての人間をカバーする(モレがない)

     ・「A型」でかつ「O型」(「B型」「AB型」)の人間はいない(ダブりがない)

     ※現実世界においては完全にモレ・ダブりのない分け方までは要求されず、

      「MECE的」であればよいとされる

 1-3  正しい思考の「成果」

  1.事象が何なのか理解できる

  2.事象と事象の「関係性」を把握できる

   例)目の前にいる物体

     「ヒグマだ!」

      ・・・1事象(属性)が「ヒグマ」であることの理解

     「自分は目の前のヒグマに襲われる可能性がある!」

      ・・・2「自分」と「ヒグマ」の関係性の把握

  ✔ 事象間の「関係性」の把握

   1.独立:Aの事象が変化してもBの事象は変化しない関係

   2.相関:AとBの事象が何らかの関連性がある

    ① 単純相関:AとBとが原因と結果の関係にない

      例)「身長」と「体重」の関係

       ∴身長の変動と体重の増減との間には関連性はあるものの、

          身長が伸びたからといって、必ずしも体重が増えるとは限らない

    ② 因果関係:Aが原因でBが変化する関係

      例)「自動車のスピード」と「事故率」の関係

  1-4 「因果関係」

   ✔ 因果関係成立のための2条件

   1.時間的序列

     事象Aという「原因」が必ず「先」に発生し、事象Bという「結果」が

     必ず「後」から起こる

      例)「犬が西向きゃ、尾は東」⇒ ✕ 時間的序列

        ∴ 犬の頭が西を向いた「と同時に」尻尾が東を向いたため

        また、犬の尻尾が東をむけば、頭が西を向くという「逆の順序」も

        成り立つ

        「雨振って、地固まる」⇒ ◯ 時間的順序

        ∴雨という原因が「必ず先」にあって、「その後に」

         地面が固まるという結果が伴うため

     cf)「相互因果」   

      AがBの原因であると同時にBもまたAの原因になっているケース

      例)「大学における優秀な学生の人数と就職率の関係」

        優秀な学生が多ければ、就職率は高くなる「と同時に」

        就職率が高いから優秀な学生が多く集まる とも言える

   2.意味的連動性

    ・「意味的連動性」:経験的に受け入れられる関係性

      例)「毎日歯を磨けば虫歯になりづらくなる」⇒ ◯ 意味的連動性

                          ∴ 経験則的に一定納得できる関係性だから

        「社長がゴルフを始めれば会社が高収益になる」⇒ ✕ 意味的連動性

    ・十分な知識と経験がないと判断が難しい!

  ✔ 因果関係を正しく捉えるための3つの留意点

   1.直接的連動関係

    ・その結果を引き起こす「直接的な原因」になっているかどうか検証せよ!

      例)A「スピードの出し過ぎ」が原因で「事故」に⇒ ✕ 直接的連動関係

      ∴ スピードの出し過ぎは事故の「遠因」にすぎないから

     B「ブレーキを踏むのが遅れた」のが原因で「事故」に⇒ ◯ 直接的連動関係

      ∴ ブレーキを踏むのが遅れたのが事故の「直接的な原因」だから

          ・  ここがブレると「打ち手」が的外れなものになる

    例)A:時速60kmまでしかでない「速度リミッター」を車に搭載⇒ ✕ 打ち手

      ∴ スピードという車のもつ「最大のメリットが失われる」

      B:「自動ブレーキシステム」を車に搭載⇒ ◯ 打ち手

                      ∴ スピードという車の「メリットを確保」した上で問題に対処できる 

  2.第三ファクターの存在

   「第三ファクター」=事象AとBとの間に相関関係を生じさせる共通因子Xのこと

    例)✕「茶碗の数が増えれば、米の消費量も増える」

      茶碗を無料配布すれば米の消費量は増える?否!!

      ⇒ 何か「見落とし」(=「第三ファクター」)がある!!

      ⇒ 見落とし:「家族の人数」

           ◯「家族の人数が増えれば、茶碗の数も増え、米の消費量も増える」  

  3.因果の強さ

   原因が結果に対して及ぼす影響力の大きさを検証しよう!

    例) A「ザーザー降りの雨」だと「傘をさす」⇒ 因果は強い

        ∴ ザーザー降りの雨では人は十中八九傘をさすため

       B「日差しが強い」と「傘をさす」⇒ Aに比べて因果は弱い

        ∴ 日差しが強ければ人は十中八九傘をさすとまでは言えないため

第2章 論理

 2-1 論理

  ・「論理構造」=ある主張(結論)が何らかの「根拠」に基づいて成立していること

  ・「論理」=根拠から主張(結論)を導き出す「思考プロセス」

  ✔ 論理構造が成立するための「2要件」

   1.「根拠」と「主張(結論)」という2つの命題が必要

   2.「根拠」と「主張(結論)」との間に「意味的関連性」が必要

    ※「意味的関連性」=論理によって2つの命題を繋ぐことができること

   ∴「論理構造」が成立するためには、

     「2つの命題が根拠と主張という関係で繋がれ得るものであること」が必要

  ✔ 「論理的」であること

  ・話を聞く人/読む人が明快に理解でき、「納得感」をもって受容できるような

   思考プロセスによって根拠から主張が導かれていること

    ∴ 形式上の論理性に加え、「納得感=主張の現実的妥当性」が必要

 2-2「論理展開」

  「論理」(=「推論」)を行う上での思考プロセスのこと

  cf) 「推論」

    思考により既存命題から「次段階の命題=主張(結論)」を導き出すこと

    ∴「既存命題」⇒ 「推論=論理展開」⇒ 「次段階の命題=主張(結論)」

  ✔ 推論の価値

  1.「確からしさ」=推論の内容が「多分正しい」と言えるかどうか

  2.「距離」=得られた結論が命題に対してどれだけ「新しい意味内容」を持つか

   例) ◯「今年の夏はとても暑かったのでビールがよく売れただろう」

  ※留意点

  2の「距離」が離れすぎてしまうと「納得感」が薄れやすい

   ⇒「距離の短い」論理展開(=思考プロセス)を繋いでいくことで納得性を高める 

   例)        [△納得感]                                      [◯納得感]

     「企業の実力主義が加速」     「企業の実力主義が加速」

          ↑                 ↑

     「若者の能力低下が進む」    「報酬の個別対応が全社化」   

                             ↑

                    「採用時の報酬の個別対応が進む」

                                ↑

                    「優秀な若者の獲得競争が苛烈に」

                                ↑

                     「優秀な若者の価値が高まる」

                                ↑

                     「若者の能力低下が進む」

 2-3 論理展開の方法論

  1.「演繹法

  2.「帰納法

  演繹法

   ・既存命題を「大前提」と照らし合わせ、「包含関係」が成立すると判断した

    命題を結論とする思考プロセス

   ・「演繹法」=「三段論法」

    ∴「既存命題」「大前提」「結論」という3つの命題が段階的に示されるため

    例)既存命題:「イワシ:魚類」(イワシは魚類に包含される)

       大前提:「魚類:セキツイ動物」(魚類はセキツイ動物に包含される)

       ⇒結論:「イワシ:セキツイ動物」

  ✔ 適切な「大前提」であるための2要件

   1.既存命題に含まれる「意味内容」を大前提の命題も含んでいること

   2.大前提の意味内容が「普遍的な妥当性」を有していること

    例)△普遍的妥当性

     既存命題:「A君は嘘をついた」

      大前提:「嘘をつくことは悪いことだ」・・・△普遍的妥当性

       結論:「A君は悪いことをした」

    ∴人を傷つけないための嘘もあるし、嘘により迷惑を被った者がいない

     とすれば必ずしもA君が悪いことをしたとはいえない

   ・普遍的妥当性を担保しやすいのは、数学的・科学的命題あるいは

    法律や制度に基づく命題が多い

  帰納法

  ・複数の対象を観察する中で「共通項」を見つけ、一般命題としての結論を

   導き出す思考プロセス

   例)複数の観察対象:「イワシ」「アンコウ」「金魚」「サケ」

     共通項:イワシもアンコウも金魚もサケも「魚」であり「エラ呼吸する」

     結論:「全ての魚はエラ呼吸する」

  ・帰納法の結論:サンプルの中だけで成立する共通項を命題として導き出す

   したがって、正しさは「どのくらい確からしいか」という所に帰着するため、

   その正しさの程度は「強い/弱い」で表現される

  ✔ 帰納法の結論の正しさを担保する2要件

   1.観察事象の「適切なサンプリング」

    ① 何らかの共通事項が成立するような命題を揃えること

    ②「一般化に妥当な事象」をサンプリングすること

     〈NG例〉

     ・サンプル数が過小すぎる

     ・特定の層に偏ったサンプリング

      例)インターネットによるアンケート調査

       ⇒若い年代のインターネット利用者層を強く反映した結果になりやすい

   2.共通事項の「抽出」

    〈抽出方法3段階〉

     1.観察事象における共通事項と非共通事項を仕分ける

     2.「非共通事項の中の」共通項を見つける

     3.1で得られた2つの共通事項と2の共通項を

       組み合わせて一般命題化する

    〈NG〉偶然の一致による共通項を一般命題化

     例)命題「アジ、アナゴ、アマダイが雨の日にたくさん釣れた」

       1.共通事項:①「雨の日に」②「たくさん釣れた」

        非共通事項:「アジ、アナゴ、アマダイ」

       2.非共通事項の中の共通項:「アのつく魚」

       3.「アのつく魚は雨の日にたくさん釣れる」⇒確からしくない

 2-4 「正しさ」の根拠

  ✔ 正しさ

   1.「客観的」正しさ:万人が認める現実的な正しさ=「真」

   2.「論理的」正しさ:演繹法等の論理展開の要件を満たしている事=「妥当」

    ※「妥当」だが「真」ではない/「真」であるが「妥当」でないケースも

    例)既存命題:「テングダケは毒キノコである」

       大前提:「毒キノコは食べられない」

        結論:「テングダケは食べられない」

      ⇒「妥当」だが「真」ではない

       ∴テングダケは毒抜きにして食べることができるから

  ✔ 正しい結論に至るための3要件

   1.命題が「ファクト」

    〈演繹〉既存命題と大前提の包含関係の判断が妥当

    〈帰納〉複数の観察対象の共通項の抽出方法が妥当

   2.命題構造が「ロジカル」

    〈演繹〉大前提が既存命題を包含していること

    〈帰納〉適切なサンプリングがされていること

   3.「ロジック」自体が妥当

    〈演繹〉既存命題と大前提が「ファクト」

    〈帰納〉観察対象が「ファクト」

    = 大命題:「現実的に正しいことだけが正しい」

  ✔ 「ファクト」と「ロジック」

   ・「ファクト」:ロジックを適用する対象の情報が現実的事実と言えること

   ・「ロジック」:論理展開が妥当であること

 

第3章 分析

 3-1 分析とは

  ・本質的な意味合い:分けて分かるための「実践作業」こと

   =「要素に分ける」こと

    cf) 思考:「頭の中で」分けて分かること

 ✔ 実践的分析の3要素

  1.何を分かるために分析するかという「分析目的」の存在

  2.データやグラフ等による「情報収集」の必要性

  3.分析目的を満たす「結論」を得ること

 3-2 分析作業

  ✔ 分析作業の4ステップ

   1.分析プロセスの設計

     設計における3要件

   ① 制約条件

    (1)内在的制約条件

    ・時間

       ・手間

       ・費用

    ∴ 情報収集にどのくらいの時間・費用を投入し手間をかけるのか

           (2)外在的制約条件

    ・目的

    ・期限

    ∴ 何のために分析するのか、いつまでに分析を終えなければならないか

   ②  作業計画

    (1) 収集すべき情報と収集方法

    (2) 情報分析・情報処理の手法

    (3) 担当者と所要時間および投入費用

   ③ アウトプットイメージ

                分析の結果、どのような成果が得られるかという具体的イメージ

           ※「情報収集:情報分析=50:50」のウェイトが理想

  2.情報収集

   ✔ 「情報」とは

    ・目的達成のための不確実性を減らすもの ⇔「ノイズ」

           ✔  情報の効用逓減性

       「結論」を出すのに十分な情報収集をした後に、さらに「追加」で

      有益な情報を集めたとしても、その効用は減少するということ

                 ∴「濃い」情報を必要最小限だけ集めることが大切

  3.情報分析

   ・分析するにあたって有用な手段=データの「グラフ化」

   (1) グラフ化の「効用」

    ・グラフ化することで「膨大なデータの持つ意味」の理解が容易に

   (2) グラフ化の「原則」

     ① 平面的に描ける「二次元」で表すこと

     ② 縦軸と横軸の2つの変数で表すこと

     ※例外:一部の円グラフや棒グラフは変数が1や3になることも

    ✔ 代表的なグラフ4種類

    ① 棒グラフ

                  「1つの変数」だけを量的データで表して比較する場合に有効

      例) 営業マン別の売上達成率

         変数1(売上達成率のみ) 

    ② 折れ線グラフ

     「2つの変数」を等しく表現する場合に有効

      例) 各国1人当たりGDPの推移

         変数:2(縦軸:1人当たりGDP/ 横軸:西暦年)

    ③ 点グラフ

                     点の分布・分散具合で相関関係の有無を表現できる

      例) 家計に占める食費の割合と一ヶ月の家計の総収入

    ④ 円グラフ

     「1つの変数」だけを量的データで表す場合に有効

  4.意味合いの抽出

    ✔ グラフの読み取り方

          ・グラフから「データの持つ意味合い」を読み取ることが重要

     データの持つ意味合い

     ① 規則性:パターン

      (1) 傾向:「時間の変化」と共に見られる規則性-増加or低下傾向

        例) わが社の売上率はこの10年間「低下傾向」にある

      (2) 相関:2つの変数の間に見られる「関係の規則性」

        例) 家計に占める食費の割合は、所得が増大するにつれて低下する

      ⇒「点グラフ」で表現すると多数の点が直線的に並んでいることがわかる

     ② 変化:規則性を破るもの。「1点」によって示される。

        「そこで何かが起きた」ことを表している

      (1) 突出値:傾向を「逸脱」した事象

        例) 一社だけずば抜けて高い成長率を達成している

                   (2) 変曲点:傾向や相関の「ターニングポイント」を示す点

        例) ある規模を超えた途端に生産性が低下した場合

3-3 合理的分析の手法

 ✔ 「イシューアナリシス」とは

  ・「 イシュー」:結論を左右する重要な論点

  ・「イシューアナリシス」:まず「イシュー」を設定し、情報収集/分析を

   その「イシュー」に絞り込むことによって結論を効率的に得ようとする分析手法 

 ✔ 「イシューアナリシス」の3ステップ

   ① イシューの設定

   「仮説」に基づき、結論を左右するような重要なイシューを「決め打ち」する

   〈Tips〉

    ■「フレームワーク」の活用

     分析領域をMECEに整理し、イシュー候補を棚卸しする必要がある

     ⇒分析領域を包括的にカバーするため「フレームワーク」を使う

     ・「フレームワーク」=物事を整理・分類するための思考の枠組み

    【代表的なフレームワーク3つ】

    (1) 3C

      ⅰ. Company(自社)

                      ⅱ. Customer(市場・顧客)

                      ⅲ. Competitor(競合)

    (2) 4P

      ⅰ. Product (製品)

      ⅱ. Price(価格)

      ⅲ. Place(場所)

      ⅳ. Promotion(広告宣伝)

    (3) 組織の3S:以下3つ+「Culture(組織風土)」で戦略立案する

      ⅰ. Structure(組織骨格)

      ⅱ. System(制度・ルール)

      ⅲ. Staffing(人材配置)

    ■ 合目的的性のマグニチュード:「真のイシューか否か」を測る判断基準

     課題がどれだけ目的に合った結論に寄与しうるか

    ⇒「様々なクライテリア」で状況を把握することが大切

     例) 「売上が低迷している要因」を分析する場合

      ⇒クライテリア別に「売上」を分解

     〈足し算による分解〉

     ⅰ. 【地域別】  売上=A地域+B地域+C地域

     ⅱ. 【製品別】  売上=X製品+Y製品+Z製品

     ⅲ. 【チャネル別】売上=コンビニ+百貨店+スーパー

     ⅳ. 【価格帯別】 売上=低価格品+中価格品+高価格品

     〈掛け算による分解〉

                  ⅰ. 売上=販売単価×販売個数

                  ⅱ. 売上=マーケットサイズ×自社のシェア

     ⅲ. 売上=客単価×顧客数

     ⅳ. 売上=営業マン1人あたり売上高×営業人数

  ② イシューツリーの作成:イシューを分解して構造化

   〈Tips〉「MECEな」イシュー展開

    例) メインイシュー:「わが社はX市場に進出すべきか」

     ⇒メインイシューに対し「MECEな」サブイシューになるよう分解

      (1) X市場は魅力的か

          ⇒ X市場の市場規模、成長性、収益性、競争の激しさなどを

                              調査し他の市場と比較することで判断が可能に

      (2) X市場進出は可能か

          ⇒ 必要な経営資源、要素技術、規制や許認可、協力会社の必要性

         などを含めて、X市場へ進出するために必要な条件と自社の

         経営資源や制約条件とを比べて、判断が下しやすくなる

      (3) X市場への進出は優先事項か

        ⇒ 分析目的の「再び成長軌道に乗るための施策」として

          X市場に進出すること以上に優先して取り組むべき対象が

          他には存在しないのか検討

     ⇒ イシューを分解することで、より具体的になり判断しやすくなる

   ③ 仮説の検証:設定したイシューに対しYES/NOの結論付けを行う

   〈Tips〉YES/NOが明確になるまで繰り返す

              明確にYES/NOと結論付けられない場合⇒ 明確にYES/NOと

                         言えるようになるまでイシュー(仮説)の再設定・再検証を繰り返す

     例) メインイシュー:「わが社はX市場に進出すべきか」

    ⇒「X市場への参入にはA社の持つ特許技術がどうしても必要」と判明

    ⇒ イシュー(仮説)を再検証

    ⇒ 新イシューⅰ「A社と提携することによりX市場に参入することは可能か」 

     新イシューⅱ「A社の特許技術の代替技術を早期に開発することにより、

            X市場に参入することは可能か」

    ⇒ 新イシュー(新仮説)を再検証

3-4 論理と心理

 人間が分析により判断する際、「心理=感情」の影響を免れ得ない

 「心理」の影響

 1.心理的バイアス:先入観により判断してしまうこと

   例) プラシーボ効果

     「よく効く薬」と聞くと、効能的にはまったく効果がなくても

      実際に熱が引いたり、胃痛が止んだりする現象

 2.執着心:正しいと確信できる結論に至るまで決して諦めないこと

   ⇒粘り強く分析を重ねることにより高いレベルの分析結果を

    もたらしてくれることも

 

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